yuanzi の徒然日記

G.G.世代旅好きオバサンが綴るブログです

上花輪歴史館を訪ねて

キッコーマン醬油合同創業者 高梨本家の屋敷

 

先日、千葉県野田市にある「上花輪歴史館」へ行って来た。

 

千葉県の北西部に位置する野田市は、古くから水運で栄え、醤油の名産地として発展した。キッコーマン醬油の創業地として知られ、現在も野田本社が置かれている。

 

「上花輪歴史館」は、1661年にこの土地で醤油醸造を始めた高梨本家の居宅だった建物。高梨家は江戸時代に名主を務める傍ら、醤油醸造を家業とし、1829年から幕府御用として醤油を上納していた。

この建物は、平成6年から博物館として公開されている。歴史的価値の高い建造物の他に生活用具・醸造用具、そして地方文書(じかたもんじょ)なども一般公開されている。

 

この日は、住宅内の見学が出来る日ではなかったが、お庭や建物の外観だけでも充分見応えがあった。

※住宅内部の見学は要予約で、通常は金曜・土曜に限定されています。

 

 

歴史館の駐車場向かいにあるキッコーマン煉瓦蔵。かつては「野田醤油(キッコーマン醬油の前身)」の仕込蔵だったそうだ。歴史を感じる風情!

 

その煉瓦蔵の前に綺麗に刈り込まれた植栽があり、そこに転がっていた大きな樽。かつて使われた醸造用の木樽かな?

 

高梨家の庭園は平成13年に国指定の名勝「高梨氏庭園」に選ばれた。

 

キッコーマン醬油」は、1917年(大正6年)に茂木家・高梨家・堀切家の醸造家一族が合同して野田醤油株式会社(キッコーマン醬油の前身)を設立したのが始まりだそうだ。

 

 

「冠木門(かぶきもん)」

 

「門長屋(もんながや)」、1766年(明和3年)築造。

 

門長屋を入ると見えてくる「数寄屋造棟」(昭和6年築)。

正面の玄関は「表玄関」で公式玄関。右側に見える玄関は「内玄関」で主人と一般客が使用した玄関だそうだ。

数寄屋造棟の背後に見える大木は椨(タブ)の木。風水思想に基づいて、椨の木が「北に山」、西側に広がる屋敷林は「西に森」に見立てられているそうだ。

 

表玄関の引き戸の模様は、木を縦に切り込んだ年輪の模様だそう。引き戸前に敷き詰められている黒い石、実は瓦だそうだ。高価なものらしい。

 

表玄関の左横にある洋室のステンドグラスの窓。小さなステンドグラスだが、そのさり気ない窓が純和風の建物にもしっくりと溶け込んでいる感じがする。

 

お庭に通じる入口。

 

庭石の中に、茶褐色の石がたくさん使われている。京都の鞍馬から取り寄せた「鞍馬石」だそうだ。乾いていると、ピンク色がかった色にも見える。

 

新緑もいいが、秋の紅葉もきっと綺麗だろう。

 

お庭側から見た数寄屋造棟と松の木。

 

「書院」 宝暦頃の築か。1806年(文化3年)、明治期改修。

 

 

柏の木。

 

書院の裏手にある手水鉢。

 

蔵のような建物が2棟。

 

屋敷の裏手にある「構堀(かまえぼり)」と船着き場。

湧き水だそうで、江戸川へと流れ込んでいる。ここから家人が乗船して江戸川へと行ったそうだ。

 

「眺春庵」

裏から見た眺春庵。

 

竹林。ちょうど筍がたくさん生えていた。

竹林に咲く「シャガ」の花。

 

屋敷内には色々な花が咲いていた。

 

「神楽殿」(左)と「稲荷神社」(右)

 

松尾大社

 

ここを潜って表玄関の方へ戻った。

 

数寄屋造棟の真ん中には台所があり入口が開いていたので、台所用具が展示されているのを見ることが出来た。

 

数寄屋造棟の東端にある「主人室」。

主人室の前の大きな沓脱石。

 

 

大きな石燈籠。

 

「井戸屋形」、江戸期以来使われているそう。

 



時間の都合で「展示棟」まで見学することが出来ませんでした。

歴史館のスタッフの方によると、6月になると住宅部の障子が夏障子へと模様替えされるとのこと。「その頃、また是非お越しください。」と言ってくださいました。