見どころ満載の小さな島国 スリランカ①
光り輝く島
今回はインドの南東にある島国スリランカの旅(2013年)。
スリランカの“スリ”は「光り輝く」、“ランカ"は「島」を意味しているそうだ。
私の年代では、スリランカという国名よりセイロンの方がピンとくる。
韓国ソウル乗り継ぎでコロンボの空港に到着したのは、どうやら夜だったみたい。最初に目指す観光地は、スリランカの北部中央に位置する「アヌラーダプラ」。
途中、立ち寄ったレストランで朝食。
ところが、写真を見た時「ここはどこ?」状態で全く記憶になかった。幸い動画を撮っていたので、朝食で立ち寄ったクルネーガラという所だと分かった。
レストランのメニュー表かな? (カフェかも)
動画では、レストランから流れる民族音楽(のような曲)が外まで聞こえていた。
クルネーガラ湖畔に佇むレストランという趣だが、『地球の歩き方』では「クルネーガラ貯水池」となっている。
向こうに見える岩山の上に白い仏陀の座像が見える。山の麓にあるクルネーガラの町は、これから行く「アヌラーダプラ」で栄えたシンハラ王国の首都(48年間)だったこともあるそうだ。
かつて、巨大な岩山には王宮があったそうだ。その山はゾウの形をしているという。別名「エレファント・ロック・シティ」と言われる町を白く輝く仏陀が静かに見守っている。確かにゾウの背の上に仏陀が鎮座しているようだ。
また、クルネーガラは日本在住経験者が多く暮らしているそうで、「リトルジャパン」とも呼ばれるそうだ。
レストランの脇に咲いていた花。
このように、日本やスリランカ最古の王国とも深い繋がりのある、この町を出発点に旅は始まった。
「アヌラーダプラ」へ到着。
アヌラーダプラは、紀元前4世紀~紀元11世紀に至る長い間、シンハラ王朝の王都であった。インドから仏教が伝わり、1400年の間、政治・仏教の中心として繁栄したのである。また、仏教はこの地からスリランカ全土へ、東南アジアへと広がっていった。
アヌラーダプラの遺跡地区には、その繁栄を象徴するかのように多くのダーガバ(仏塔)や遺跡などが広範囲に点在している。そして、1982年に世界遺産に登録された。
最初に訪れた「イスルムニヤ精舎」。
しかし、私達が最初に入ったところは、このメモリアルホール。
ここで、お坊さんに白い糸を手首に結んでもらった。ミサンガだ。ミサンガが切れるまで肌身離さず付けていると願い事が叶うという。
ところで、このお坊さんはどんな人だろうか? 説明があったような気もするが・・。
この建物周辺。2種類の鳥が写っている。
「イスルムニヤ精舎」、この寺院は紀元前3世紀に天然の岩を利用して建造された。通称「ロックテンプル」とも呼ばれる。
階段を上ったところに小さな御堂がある。その階段の下に半円形の「ムーンストーン」と、魔除けの「ガードストーン」2つがある。これらは古代のスリランカの寺院や遺跡でよく見られる。
御堂の中に安置されている仏像。
岩肌にゾウが彫刻されている。
これは豊穣の神だそうだ。
本堂に据えられている極彩色に塗られた大きな涅槃像。因みに、この涅槃像は東京の浅草寺の援助で色の塗り替えを行ったそうだ。
本堂の天井の装飾。
本堂の奥。
外に出て裏の岩山に登る。階段へ行くまでに見たこんな大岩、どこかで見たことがあるような光景(小枝で岩を支えている)。
この岩山から見える風景。右手に見える豊かに水を湛えた「ティッサ・ウェワ」。
かつて、スリランカには高度な水利文明があった。すでに、このシンハラ王国の時代に灌漑農業が行われていた。ウェワとは貯水池という意味だろう。スリランカの気候の中でドライゾーンに属しているアヌラーダプラでは、貯水池は無くてはならないものだったに違いない。スリランカ全土の地図を見ても、驚くほど無数の貯水池らしきものが散在している。
「イスルムニヤ精舎」の正門。
境内で見たお花、ゴールデンシャワー。
近隣で発見された彫刻を展示している「宝物殿」を覗く。
この宝物殿に必見の2つの像がある。
その一つが「恋人の像」、紀元前2世紀のサーリヤ王子とマーラの像。二人はカーストがあまりにも違い、周囲は認めようとしなかったようだ。しかし、王子は自分の身分を捨ててマーラとの結婚を望んだという。
「王族の像」、中央が紀元前2世紀のドウッタガーマニー王とその妻(右)。左側が息子のサーリヤ王子。そして、右端に小さく慎ましく彫られているのがマーラだそうだ。
サーリヤ王子とマーラは無事結婚できたようだ・・。
次のスポットへ移動中に見かけた遺跡。
「スリー・マハー菩提樹」
インド・ブッダガヤで、仏陀が菩提樹の木の下で悟りを開いたといわれる。その菩提樹の分け木を、紀元前3世紀にインドのアショーカ王の王女がここへ運び、当時の王が植樹したと言われている。記録が残っている中では世界最古とされている。
※インド・ブッダガヤの初代の菩提樹は、5世紀頃のインドにおける仏教弾圧により木は切られた。近年になって、スリー・マハー菩提樹から育てられた三代目の菩提樹がブッダガヤに植えられているとのことです。(Wikipediaより)
分け木から生長した枝を金色の棒で支えている。
たくさんの人々が祈りを捧げに訪れている。
スリランカでは、正式には白い服を着てお参りをする。よく見ると白い服姿の人が多い。また、お寺では土足厳禁なので裸足でお参りをする(靴下はOK)。私達外国人観光客にとって、熱くなった地面や石の上を裸足で歩くのは辛いので、靴下を履いてお参りをする。
あちらこちらでお猿さんに出会う。
「ルワンウェリ・サーヤ大塔」、遺跡地区のほぼ中心に聳え立つ白く巨大なダーガバ(仏塔)。アヌラーダプラのシンボル的な存在。このダーガバには、偉大なドウッタガーマニー王と息子サッダーティッサ王子との美しい親子愛のお話が伝えられている。
ダーガバに近づくと、たくさんのゾウの彫刻で門が守られているのが分かる。これは、昔この塔を建てた時に、ゾウの力で地ならしをしたためと言われている。
それにしてもリアルなゾウの彫刻。
お花をお供えし、熱心に祈る人々の姿。
大塔の隣にある仏堂。
ダーガバを真下から見上げると凄い迫力。
お供え物だろうか、頭に載せて運ぶ女性。
「トウーパーラーマ・ダーガバ」、アヌラーダプラ最古のダーガバ。内部には仏陀の右鎖骨が祀られていると言われている。ダーガバの周りには何本かの石柱が立っている。これはダーガバに屋根を付けるために建てられたもの。
次に移動中、こんな光景を見てしまった‼ モロッコのマラケシュでも見なかった蛇使い。立派なコブラ。
ヤシの実を売るおじいさん。パパイヤだと思ったらヤシの実のようだ。スリランカのヤシの実は、このようなオレンジ色。
「アバヤギリ大塔」、アヌラーダプラで最大のダーガバ。かつてスリランカにもあった大乗仏教の総本山。
いろんな動物が放し飼い? それとも、野良の牛?
「クッタム・ポクナ(ツイン・ポンズ)」、ここはかつて、アバヤギリ大塔の麓にあった僧院の修行僧たちの沐浴場。奥にもう一つあり、ツイン・ポンズとも言われる。
「ジェータワナ・ラーマヤ」、アバヤギリ大塔によく似ているダーガバ。ここでは、9世紀のサンスクリット文字で書かれた経典の金板が発見され、現存するサンスクリット文字の経典としては、非常に貴重なものと言われている。
これでアヌラーダプラの観光は終わり、明日の「シーギリヤ」へ向けて移動。
移動中バスの中から見かけた光景。慌てて動画に撮った。五色の長い布を頭上に掲げて持ち歩く人達。どの人も白い服を着ているのを見ると、寺院へこの布を寄進に行くのだろうか? ダーガバ(仏塔)の基壇部分に、このような布が巻かれているのを見かける。
ここが最後尾。かなり長い布だった。スリランカの人達は本当に信心深い。
さて、途中、食事に立ち寄ったレストランで結婚式が・・。
素敵な伝統衣装を纏った新郎・新婦、まるで王様と王妃様のよう。こんな場面に出会えて、何だか得した気分!
この後は、②で紹介します。