yuanzi の徒然日記

G.G.世代旅好きオバサンが綴るブログです

韓国・南漢山城とソウルの城郭

国境と城壁

 

国境と城壁、私はこのどちらにも興味を引かれる。どちらも日本人にとっては珍しいからだ。

島国の日本には陸続きの国境がない。また、外国でよく見られる街全体を取り囲む城壁、外敵の侵入に備え国境付近に築かれた長城、そんな城壁は日本では殆ど見られない。

 

万里の長城(中国)↓

 

ハドリアヌスの長城(イギリス)↓

 

TV番組『世界の国境を歩いてみたら・・・』を時々み観ることがある。今放送されているのは全て再放送で、シリーズの全てを見ているわけではないが、実際に私が通った国境検問所が映ると、とても懐かしく思い出す。

 

私が初めて陸続きの国境検問所を見たのは、マカオと中国の国境にある「ボーダーゲート(關閘)」と呼ばれる検問所だった。ぞろぞろと沢山の人々が吸い込まれるように検問所へ入って行く様子を見た時は、不思議な感動を覚えた。※香港、マカオの中国返還以前のことです。

 

マカオ側にある「ボーダーゲート(關閘)」↓

※中国側には「拱北口岸」があります。

 

 

さて、韓国の「南漢山城(ナマンサンソン)」が2014年に世界遺産に登録され、城壁好きな私が行ってみたいと思ったのは言うまでもない。私が行ったのは、翌2015年。

 

南漢山城はソウルの南の郊外にある山城で、海抜500m程のいくつかの山の稜線を繋ぎ、ぐるりと囲んでいる。

この山城には、4つの門や出城など多くの文化財が散在している。また、ソウル市民や京畿道の住民の山歩き・ハイキングコースとしても親しまれているそうだ。

 

南漢山城へは、ソウルの地下鉄「山城」駅からバスに乗り換えて行くことが出来る。

山城駅を出てから少し離れた所にあるバス停で、南漢山城へ行くバスを待っていると、やや年配の男女が次々と集まって来た。彼らは皆、完璧な山歩きの服装だ。背にはザック、そしてトレッキングポール(ストック)も携えている。

私と夫は靴だけはスニーカーを履いて行ったけれど、私達二人だけが場違いな恰好で居心地が悪かった。

 

山歩きスタイルの人達は、大部分が途中で降り、いつしかどこかへ消えていった。

バスは南漢山城の中心部に到着した。そこには小さな店や食堂などがある。そこから一番近いところにある「北門」↓。

 

北門に上ると、こんな風に城壁の上を歩いて行くことができる。

 

反対方向は、こんな坂道。

 

この先歩くことは出来るが、距離がありそうだし時間的にも余裕がないので、城壁を歩くのは断念。

近くにある文化財を見学することにした。

 

「鐘閣天興寺銅鐘」↓

 

行宮の切符売り場↓

 

南漢山城 行宮」へ入って行く。

 

行宮の入口↓

 

行宮は李氏朝鮮時代の1626年に完成した離宮

諸外国からの侵攻を防ぐため築かれた軍事的な待機・避難場所としての意味合いが強かったそうだ。実際に、仁祖14年(1636年)に「丙子の役」が勃発すると、仁祖は南漢山城に避難し47日間抗戦した。

※ 丙子の役:1636年~1637年にかけて清が李氏朝鮮に侵略して、制圧し服属させた戦いのこと。

 

いつの時代かな? 昔の南漢山城と周辺の写真パネルが展示してあった。

 

山の稜線沿いに城壁が築かれている。

 

更に、行宮の奥へ入って行く。

 

韓国時代劇の撮影で使われそうな場所。

 

これらの文化財は、東学党の乱や朝鮮戦争により破損しつつも復元を繰り返してきた。そのためか、建物が比較的新しく見える。現在も復元作業が続いているそうだ。

 

こんな遺構も見られた。

 

これで南漢山城の観光は終わりにして、バスで地下鉄「山城」駅へ戻ることにした。

 

ところが、ここでハプニング発生!

夫がT-moneyカード(交通系ICカード)を失くしてしまったのだ。しかもバスに乗る前にコンビニでチャージしたばかり。ポケットに入れたつもりが落としてしまったらしい。交通カードは海外においては、いちいち言葉がいらず大変便利なのだ。

でも、仕方ない。幸いコンビニのような売店があったので、売っているかも・・。

と、お店に入って、

 

私 : T-moneyカードありますか?

店主: ※〇☆×△@%#・・・。  (早口で捲し立てられ理解不能

                  

この時、店主とお喋りしていた別のオジサンも一緒に喋り出す。二人は何か事情を盛んに訴えているかのようだった。私にとって「ある」か「ない」かの一言でいいんだけど・・・。

それでも、想像力を働かせ、山の上だから売れないんだと言ってると勝手に理解して、

 

私 : それじゃ、バスの中で買うことができますか?

店主: ※〇☆×△@%#・・・。

 

辛うじて、「(斯く斯くしかじかで)、山から下りて買いなさいよ」と言った部分だけ聞き取れた。

 

私 :コマッスニダ(ありがとうございました)。ふっ~~‼

 

と、トンチンカンなやり取りの末、お店を後にした。結局、バス代は現金で払い無事ソウル市内へ戻った。

※後で気づいたんですが、バスの場合は二人分の運賃を一枚のカードで払うことが出来ます。韓国ドラマを見ていると、そのようなシーンが時々見られます。その時に、何故思い出せなかったのか・・。

 

 

ソウルに戻ってから食べた昼ご飯、ニラチヂミとクッパがとっても美味しかった!

 

 

ところで、ソウルの街にも城壁がある。かつての朝鮮時代の都を取り囲む城郭だ。その城郭には8つの門があり、その内の「恵化門(ヘファムン)」(東小門)へ行った。

 

この時は友達と別行動をとっていたので一人だった。(2016年)

この日、生憎雨が降り出してきて門の下へたどり着いた時に、ビニールのレインコートを出して着たのを覚えている。

この門は復元されているので新しく見える。

 

城壁の上は、こんな感じ。

 

道路を隔てて南側の城壁へ。

 

城壁の石の色・形が違うのは、それぞれ修復を繰り返し築いた時代によって違うのだそうだ。

古い順に、色が黒っぽく丸みを帯びた石 ⇒ 四角形 ⇒ 色が白っぽく正四角形、という順番になるそうだ。

 

 

天気が悪いので、歩く人は殆どいない。

 

 

この後、「駱山公園」を通り抜けてから「梨花洞」の散策をした。

 

梨花洞」では、こんなオブジェや写真映えする壁画アートに出会うことができる。ドラマなどに度々登場する場所なので、人気スポットになっている。

 

ソウルの街並みを眺めるのにも素敵な所。

 

このオブジェは、私もドラマで見たことがある・・。

 

梨花洞」は路上美術館とも言われるそうだ。

 

この場所は人気があって、しばらく待ってみたけど中々人が途切れない。こんな風に翼の間に人が立って写真を撮るようだ。

 

階段に絵が描かれた場所があるが、人が群がっていたのか写真を撮ってなかった。その場所もよくロケ地として使われる人気スポット。

 

 

この後「大学路(テハンノ)」へ出た。

 

雨で足元が冷え切っていたので、素敵なカフェに入ってしばし休憩。大きな窓ガラス越しに、美しい並木の続く大学路を行き交う人々を眺めながら、まったりとティータイムを楽しんだ。う~ん、至福の時間。

 

 

季節のいい時期に、のんびりと城壁散歩を楽しむのも良さそうだ。機会があったら、また行ってみたい。

(終)