yuanzi の徒然日記

G.G.世代旅好きオバサンが綴るブログです

エキゾチックで多彩な魅力をもつ国 モロッコ⑤

マラケシュからカサブランカ

 

険しいオート・アトラス山脈を越えて、「マラケシュ」の町へと入って来た。

 

城壁で囲まれたメディナへ入って行く。

 

メディナの南側、王宮の近くにある「アグノウ門」。アーチの周囲は赤と緑の砂岩で半円形に彫刻が施され、コーランの一節も刻まれている。

左右には小さな大砲が設置されている。その上に座っている男性がいた。

 

マラケシュ」はモロッコのほぼ中央、オート・アトラス山脈を挟みサハラ砂漠の西方に位置する。11世紀後半に最初のイスラム国家ムラービト朝の都として定められ、商業・経済・学問の中心として繁栄してきた。ムラービト朝の後、ムワッヒド朝、サアド朝、アラウィ―朝と、幾つもの王朝が栄枯盛衰を繰り返してきた。

貴重な歴史的建造物が豊富なメディナ(旧市街)は、1985年に世界遺産に登録されている。

 

「バヒア宮殿」の近くの広場。

 

「バヒア宮殿」へ向かう。途中見かけたスパイス屋さん。

 

 

「バヒア宮殿」↓

最初に入って来たところは、様々な植物が植えられている緑豊かな中庭(パティオ)。建物の彫刻の美しさに、早くもうっとりしてしまう。

 

「バヒア宮殿」は、19世紀後半に当時の大宰相の邸宅として14年の歳月を掛けて建造された。壁・柱・天井に施された装飾には目を見張る。スペインのアルハンブラ宮殿の影響を受けているという、それに負けない素晴らしい宮殿だ。

 

また、床にもゼリージュと呼ばれるモザイクタイルが敷かれ、絶えず視線を上下左右に巡らさなければ、素晴らしい装飾を見逃してしまいそうだ。

 

イスラム社会では4人の妻を持つことが許される。この宮殿では、4人の妃と24人の側女たちの部屋がある。つまり、この宮殿はハーレム⁉

4人の妃は平等に扱われなければならないが、ここでは第3妃が最も寵愛されたそうだ。お部屋も一番豪華だという・・。また、この宮殿の名前も第3妃の名前から付けられている。

 

中央に涼し気な水盤が設置された中庭、この建物の周囲には4人の妃の部屋がある。

 

天井の装飾にはアトラス杉が使われている。

 

この天井には自然光を取り入れる天窓がある。

 

各部屋の天井や装飾がすべて異なっている。

 

 

この広い中庭がある建物は、側女たちの住まいだそうだ。

 

ここからは特別な部屋だったかな?

 

ステンドグラスの装飾も見られる。

 

客室の暖炉。

 

宮殿への入口、私は出て来た時に写真を撮ったようだ。

 

 

宮殿の近くにある「ユダヤ人街(メッラハ)」。

 

マラケシュは「赤い街」とも言われる。その名の通り濃いピンク色に染められたメディナの路地を歩いて行く。

 

リヤドのような佇まいの素敵なお宅。

 

朽ちた土壁の上にコウノトリの巣。正確には、嘴が紅い朱嘴鸛(シュバシコウ)と言うらしい。

 

歩いている途中に見かけたモスク。「アル・マンスール・モスク」かな?

 

クトビア通り沿いのクチ乗り場。この場所から「クチ(馬車)」に乗って街巡りに出掛けた。

 

「クトビア・モスク」

 

高さ77mの美しいミナレットは、マラケシュのシンボル。だが、このモスクはメッカに対してモスクの位置が正しくないとして、一度取り壊されている。その基礎部分が今も残っている。(写真左側)

 

この近くに遺跡も見られた。

 

 

この後、近くの「ジャマ・エル・フナ広場」へ。

 

この広場は、モロッコを代表する観光スポットと言えるほど有名な場所。

蛇使いや大道芸人がショーを繰り広げ、その周りに人だかりの輪ができる。毎日お祭り騒ぎのような賑わいだそうだ。特に夕方からは、たくさんの屋台が店を開き深夜まで賑わう。しかし、かつてはここが公開処刑場だったというから驚きだ。

 

そんな広場でフリータイム。屋台のオレンジジュース屋さんで、搾りたてのオレンジジュースを飲んだ。

 

この広場の北側には、モロッコ最大のスークが広がっている。

そのスークに迷い込むには、ちょっと暗くなってきて女二人では不安。私と友達は広場近くのお店を覗くだけにした。

スークには様々なお店が立ち並び活気がある。

 

タジン鍋や色々な陶器類。

 

ロッコ独自の皮のスリッパ「バブーシュ」。

 

エキゾチックなランプ。

 

スークの中には行ってみたいお店を予め決めていたのに、見られなかったのがとっても残念! もう少し明るい内にも来て欲しかった。

 

 

さて、フリータイムが終わって広場を見渡せるカフェでミントティーを飲みながら、夜の広場の活気を満喫する。

因みに、私の記憶にあるモロッコのミントティーは、このようなミントの葉がたっぷり入ったものだった。

 

動画に映っていた広場の夜景。

 

 

その翌日は、「カサブランカ」へ向かう。エキサイティングなモロッコ旅行の最後はカサブランカ観光。その後、帰国の途に就く。

 

マラケシュからは、大西洋岸にあるカサブランカに向かって北上していく。

途中の景色。

 

カサブランカ」の町へ入って来た。マラケシュとは違って近代的な白い建物が続く。

 

ムハンマド5世広場」、カサブランカの新市街の中心に位置する。噴水のある大きな広場で、広場の隣には市庁舎、裁判所、中央郵便局など街の中枢機関が集まっている。

 

これは裁判所の建物。

 

再び通りかかった時に撮った市庁舎。霧がこの辺りまで漂っている。

 

車窓から見た「国連広場」。その近くにある時計塔と半球形のオブジェ(モニュメント?)。ここは城壁で囲まれた旧市街への入口にあたるそうだ。

 

 

大西洋に面して建てられた「ハッサン2世モスク」。

その日のモスク周辺は霧で覆われ、霧が街の中まで漂っていた。とっても幻想的なモスクを見ることが出来た。

 

 

このモスクは、8年の歳月をかけ1993年に完成した。モロッコ最大のモスク、ミナレットの高さは210mで世界2番目だそうだ。

 

「海の上にモスクを造りたい」というハッサン2世の願いから、海に突き出るように建てられた。海側から見ると本当に海の上に建っているように見えるそうだ。

 

モスクの南側の景色。

 

霧に覆われたミナレットは、まるで薄いベールに包まれているようで美しい。

 

最高の建築資材を取り寄せ、モロッコ全土から優れた職人と芸術家を集めて造ったといわれる、実に見応えのあるモスクだ。

 

シャンデリアは、ベネチアのムラノから取り寄せているそうだ。

 

晴れた日のモスク。

 

 

博物館も併設されている。

 

 

「ハッサン2世モスク」の見学が終わり、市内を移動中に見かけた日本語の看板。日本人専用の観光会社の看板らしい。

 

ロッコの観光はすべて終わり、この後、帰国の途に就く。

 

 

私が最初にモロッコに興味をもったのは、映画『カサブランカ』を見た時だった。映画も素晴らしかったが、私は何故かカサブランカという響きにとても心惹かれた。それがアフリカの片隅の国モロッコにある都市ということにも興味を引かれた。

しかし、あまりにも日本から遠くかけ離れた国、将来こうして実際に行くことが出来るとは思いもしなかったので、いつしか忘れてしまっていた。

 

この旅を決める直前、別の国へ旅行するつもりだった。ところが、同行者の提案で急遽モロッコ行きが決まり、そして旅行して見て、びっくり! モロッコという国がこんなにも多様な魅力をもっている国だということに。

同じイスラム国家でもアジアのイスラム国家とは、大きく異なる魅力をもっている。

 

その魅力をもっと写真に撮っておけばよかった、もっと予備知識をもって出掛ければよかった・・と、今になって思えば、後悔と反省することばかりだ。

 

 

ですが、次はどこへ旅をするにしろ、今度はもっと内容の濃い旅にしよう! と、すでに次に向けて夢を膨らませています。

 

(終)