エキゾチックで多彩な魅力をもつ国 モロッコ④
アトラス山脈を越えて
ワルザザードの翌日、アトラス山脈(オート・アトラス)を越えてマラケシュへ向かう。
最初に立ち寄った「アトラス・コーポレーション・スタジオ」。
世界最大級の映画スタジオで、『アラビアのロレンス』、『グラディエーター』、『バベル』、『ヘラクレス』等々、数多くの有名な映画の撮影が行われたそうだ。また、撮影後に残されたセットも見学できる。
私達のツアーは写真だけを撮り、すぐに次の目的地である世界遺産「アイト・ベン・ハッドゥ」へ。
ここはモロッコ旅行で楽しみにしていた観光スポットの一つ。到着後、先ずその全容が見渡せるビュースポットへ。
周囲にには「ここは同じ地球上?」と思わせるような景色も・・。
川を挟んだ対岸の新しい村(新市街)から眺めた「アイト・ベン・ハッドゥ」の集落(クサル)。丘の斜面に日干しレンガで造られた建物が身を寄せ合うように立ち並んでいる。
新しい村の土産物屋さん。金属製の窓枠が素敵。
お店番をする猫ちゃん。
これから対岸にある旧村(旧市街)の「アイト・ベン・ハッドゥ」へと入って行く。
私達が行った時は川に水がなく、歩いて渡って行くことが出来た。敵の侵入を防ぐため、この集落への入口は一つしかないそうだ。
川に水がある時期には、左に見える橋↑を渡って行く。
この地は隊商交易の中継地として栄え、その中でも「アイト・ベン・ハッドゥ」は有力なハドゥ一族が築いた集落であった。通路が迷路のように入り組んでおり、建物の一階には換気口以外窓がなく、外壁には銃眼が施されている。常に外敵から身を守る構造になっていて、地形からみても正に難攻不落の集落だ。
巨大な門? (※ここでガイドさんの説明を受けているが、話を聞いてない私・・。)
中へ入って行くと、崩れかかっている箇所もある。
錠前屋さんだろうか?
ここは何だろう? 民家を訪問するツアーもあるそうなので、そのようなお宅かな??
クサルを歩く猫。TV番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』で、この「アイト・ベン・ハッドゥ」編を放送したばかりだったので、猫好きな人達で話が盛り上がった。(私も猫好きの一人)
頂上へ向かって、どんどん登って行く。
城壁に穴が・・。
この穴はフォトスポットになっているようだ。現地ガイドさんが、「はい、はい、次は誰?」という感じでカメラのシャッターを次々に押していた。
それにしても、元々開いていた穴なんだろうか?
頂上部にある「食糧庫(兼 見張り台)」。籠城に備えて食糧を保存していたそうだ。
頂上部から見るアトラス山脈。少し雪が積もっているのが確認できる。
頂上部から対岸の新しい村を望む。(動画に映っていた景色)
この集落(旧村)はかなり傷みが進んでいて、現在ベルベル人の数世帯だけが生活している。かつての殆どの居住者達は対岸の新しい村へ移り住んでいるそうだ。
この小山で映画の撮影が行われたとか。
ここ「アイト・ベン・ハッドゥ」も数多くの映画のロケ地となっている。『アラビアのロレンス』、『ナイルの宝石』、『グラディエーター』、『ハムナプトラ2』等々。
私はモロッコ旅行の前に『アラビアのロレンス』をもう一度見返してみた。あの名作のシーンに登場する景色と同じ景色を目の前にするって、やっぱり感動的!
猫ちゃん達は観光客に慣れている様子。
「もう~、みんながカメラを向けるんだよね。撮るなら早く撮ってよ。」と言っているよう・・。
お土産物屋さん。赤茶色の土壁に色鮮やかなカーペットや布類は、とても目を引く。
さて、この後は、オート・アトラス山脈を越えてマラケシュまで長いドライブ。
「ティシュカ峠」(標高2260m)で下車しフォトタイム。
この先は、この様なくねくねとした下り坂が続いて行く。
アトラス山脈を越えた辺りだっただろうか、アルガンオイルを販売する土産物店に立ち寄った。ここでは買い物だけでなく、実際に女性達がアルガンの種からオイルを絞り出している作業も見学できる。(写真:Pixabayより)
アルガンの実が採れるアルガンツリーは、モロッコ南西部にしか生育しないそうだ。
また、木に鋭い棘があるため人の手で実を収穫するのが難しい。ところが、山羊がこのアルガンツリーに登って実を食べ種を落としてくれる。
とっても珍しい光景、それだけ山羊にとって美味しい実なのだろう。
アルガンの種を石などで割り、中の核の部分を取り出して石臼で挽いてペースト状にする。この手作業は、モロッコの貧しい女性達の数少ない収入源となり、女性の自立に役立っているそうだ。
100㎏の果実から1ℓ程度しか採取できない貴重なオイル、このアルガンオイルは食用・美容・健康に幅広く利用される。オリーブオイルの数倍のビタミンEなど抗酸化成分が含まれ、アンチエイジング効果が期待できる。
そんなことを聞けば、女性達は買わずにはいられない。私はお肌につける美容のオイルを買った記憶がある。
この時、応対してくれた女性店員が「キャンディをください。」と、そっと囁いてきた。モロッコでは、美味しい日本のキャンディを欲しがる人が多いと聞いていたので、持っていたキャンディをあげたらとても喜んでいた。
途中で見たサボテンの実。赤い実は食用で、フルーツ感覚で食べる。
この後、マラケシュへ。
この後は、⑤で紹介します。