韓国最大の港町釜山と慶州、金海の旅②
日本から近い釜山の旅
翌日、慶州(キョンジュ)へ日帰り。夫にとっては初慶州の旅、効率よく周遊するためシティツアーに申し込むことにした。そこには日本語が話せるスタッフがいるので、安心という情報があったけど・・・。
釜山に到着後、ホテルから慶州にあるツアー事務所に電話した。電話で外国語を話すのは緊張する。電話に出た女性に「日本語が話せる方いらっしゃいますか?」と尋ねると、やや間があって「ア~ニョ(いいえ)」(アの部分に強いアクセントで)と何とも冷たい反応。その語調には温かみが感じられなかった。
しかし、ここで引き下がるのも悔しい! とにかく日本語が通じなくてもいいやと、二人分の予約をしたのだ。
※日本語専用のツアーもありますが、ツアー代金は高くなると思います。
当日の朝、釜山駅から韓国KTX(韓国高速鉄道)に乗車し新慶州駅まで。ツアーのピックアップ場所が2カ所あり、私達は新慶州駅↓を指定した。
この駅は市街地から離れているため、周囲は自然豊かな風景。
迎えに来たのは大型バスで、参加者は殆ど韓国人。外国人は私達夫婦とマレーシアから来た家族連れのみ。
ガイドさんは声の感じから電話に出た女性によく似ていた。
ガイドの案内は韓国語のみだが、車内では観光スポットの説明と映像がTVモニターで映し出され、その外国語は英語のみ。でも、途中から思い出したように日本語も加えてくれた。(外国人参加者にも一応対応している。)
慶州は新羅の都があった古都。歴史的な建造物や遺跡が多く、中心部から離れている「仏国寺」や「石窟庵」など含めて慶州全体が世界遺産に登録されている。
「世界文化遺産コース」を予約したので、このバスの最初の観光スポットは「慶州武烈王陵、太宗武烈王陵碑」。
新羅の武烈王は、660年唐と連合して百済を滅ぼしたが、その翌年に没した。
入ってすぐに、「太宗武烈王陵碑」がある。上部の碑は失われて無いが、「太宗武烈大王之碑」という文字が刻まれていたことから、この古墳が武烈王の墓だと判明したそうだ。
武烈王(ムヨルワン)の墓。
武烈王の墓の近くに西岳洞古墳群がある。4基が整列している。誰が埋葬されているかは不明。
古墳で餌をついばむ「カッチ」と言われる韓国の国鳥。カササギ(カチガラス)のこと。近くで見ると美しい鳥だ。飛ぶ姿も綺麗。
さて、ここで困ったことが・・。
観光スポットにバスが停車する度にガイドさんからバスに戻る時間が告げられる。時間は短い言葉で告げられるのに、私は韓国語の数字の聞き取りが大の苦手😭。
韓国語の「〇時▲分」で、〇時は固有数詞、▲分は普通の数詞が使われる。しかも、韓国語にリエゾン(連音化)があるため更に頭の中は混乱するばかり。
何度も聞けば慣れると言われるが、その辺は努力不足。
という訳で、時間を間違えたらいけないと必死! マレーシアの人達が英語で確認していたので、私も英語で確認するようにした。時間に関しては、何とか英語の方が聞き取り易い。
次に向かったのは、「大陵苑(テヌンウォン)」。新羅時代の古墳が23基も点在する公園。慶州は古墳が本当に多い。
「天馬塚(チョンマチョン)」は古墳内部も見学できる。
内部には素晴らしい装飾品などが展示されているが、撮影禁止! しかし、ここにあるのは模造品だそうだ。現物は国立慶州博物館に展示されている。装飾品は純金製。
この古墳で貴重な「天馬図」と言われる馬の泥よけが出土している。そこに空を翔ける白馬の姿が描かれていることが、天馬塚の名前の由来となったそうだ。
夫婦一緒に埋葬されている「皇南大塚」。くっついた古墳が微笑ましい。
ちょっと余談、市内に「皇南パン」という有名な店がある。パンと言っても、日本でいう小豆餡の入ったお饅頭に似ている。以前に来た時は個人旅行だったので、お店を探し買って帰った。小豆餡を包む生地がしっとりしていて美味しかった。
次は「雁鴨池(アナプチ)」。新羅の文武王の時代674年に建築された庭園。百済、高句麗を滅ぼし、その統一を祝して建設された贅沢な宮殿跡でもある。建物は復元されたもの。かつて新羅の王侯貴族が舟を浮かべて優雅に遊んだ場所が雁鴨池なのだそうだ。
さて、昼食は慶州名物「サンパブ」、テーブルいっぱいに沢山のおかずが並ぶ。それらのおかずやご飯を野菜に巻いて食べる料理。巻く野菜には茹で野菜もあり、種類豊富でとってもヘルシー。
昼食時に隣になったマレーシア人の家族連れは、その時、韓国・日本を旅行中だと話してくれた。全日程10日以上の旅行だとのことで、羨ましい限り!
昼食後は、中心部から離れている「石窟庵(ソックラム)」へ。
ここから山の中へ歩いていくと石窟庵の入り口がある。
内部は撮影禁止だったのか、写真が残っていない。
構造は切り出した石をドーム型に組んで造られた石窟寺院。現在は再建されたものだが、創建時はかなり高度な技術で造られたそうだ。ドーム内には、ご本尊の釈迦如来像が鎮座している。
途中こんな光景を見た。古の人々は、このような神秘的な光景を見て何を思っただろうか?
次は、ここから少し山を下って「仏国寺(プルグクサ)」へ。
天王門へ向かって歩く。
天王門の左右に立つ四天王は色鮮やか。日本の四天王よりどことなく愛嬌があるお顔。
仏国寺は韓国を代表する仏教寺院の一つ。仏国土を現世に再現することを目的に建造されたと言われている。
文禄・慶長の役で建物の大半が焼失してしまったようだ。現在の建物は、その後復元されたもの。
境内へ入って行くと、石の階段(上下二つの橋)が目に入ってくる。階段の上の門は紫霞門。他にも階段(上下二つの橋)があり、俗世と仏国土を結ぶ四つの橋と言われている。
規模は小さめだが、もう一方の橋(上下二つの橋)が見える。
大雄殿の中のご本尊は撮影禁止。大雄殿の前の広場には、多宝塔と三層石塔が立っている。
多宝塔↓
三層石塔(釈迦塔)は修理の真っ最中だった。この釈迦塔からは世界最古の印刷経が発見された。
仏国寺の見学を終え、このツアー終了。
新慶州駅から再びKTXに乗り釜山に戻った。釜山駅前の大きなクリスマスツリーのイルミネーションが眩しく輝いていた。
(終)