yuanzi の徒然日記

G.G.世代旅好きオバサンが綴るブログです

見どころ満載の小さな島国 スリランカ④

世界遺産の町、古都キャンディ

 

「キャンディ」は山に囲まれた狭い盆地にある。その周囲の山々が天然の要塞となるこの町に、16世紀末にシンハラ王朝の最後の都がおかれた。北に栄えていたシンハラ王朝が、インドからの侵入者に追われて南下を続け、最後に選んだのがこの地だった。

 

1815年イギリスの植民地となるまで、300年以上にわたり首都として繁栄した。同時に王権の象徴である仏歯を祀る仏歯寺が建立され、今日もスリランカ仏教徒の篤い信仰を集めている。

 

 

さて、キャンディに到着し、最初に行ったところは「キャンディ・マーケット」。

中央に吹き抜けのある2階建てのマーケットで、1階が主に食品売り場となっている。

カレーに使われる様々なスパイスが売られている。

 

次は、キャンディの一番の見所「仏歯寺」へ。

その途中、町の中心にある「クイーンズ・ホテル」。コロニアルな雰囲気が素敵な外観で、ロケーションも抜群なことから、「ペラヘラ祭り」の時期は観覧席の予約も受け付けているそうだ。

 

「キャンディ湖」(人造湖)、クイーンズ・ホテルや仏歯寺はこの湖の畔に佇む。

 

 

「仏歯寺」へ入るには、セキュリティチェックがある。

 

敷地内で見つけた「ホウガンノキ」、丸い砲丸のような実を付けることから名付けられた。しかし、タイ・ミャンマースリランカなど小乗仏教の国では、この木は沙羅双樹であるとされている。因みに、日本では夏椿が沙羅双樹とされている。

 

 

仏歯寺内部に入って行く。

 

シンハラ建築様式の八角形のお堂と仏歯寺を取り囲むお堀は、キャンディ王朝最後の王によって建てられた。八角形のお堂は、元々は王の休憩所。イギリス支配時代は留置所にもなり、現在は図書館となっている。

 

本堂へ行くまでにアーチ型の通路があり、「ペラヘラ祭り」の行列が描かれている。この絵画は、1998年に爆弾テロでこの辺りが爆破されたため、全部新しく描き直されたそうだ。

 

※「ペラヘラ祭り」:紀元前300年頃に始まり、毎年エサラ月(7~8月)に開催されるスリランカ最大のお祭り。キャンディのペラヘラ祭りは盛大に行われ、仏歯を納めた舎利容器をゾウの背に載せ街中をパレードする。ゾウは装飾(電飾)され、音楽やダンサーなどの群れも練り歩く。

 

1階の本堂(2階建て)。象牙で飾られて、壁や梁の装飾も素晴らしい。仏歯はこの1階本堂からゾウの背中に載せられる。

 

ペラヘラ祭りの際に、仏歯を入れるガラスの容器。

 

2階本堂前。信徒から供えられた沢山のお花。左上の額入り写真(全部写っていません)は、仏歯が納められているダーガバの形をした金製の小箱。

同じ写真が、アヌラーダプラの「イスルムニヤ精舎」のメモリアルホールにも飾られていた。

 

仏歯が納められている2階の本堂。

 

1日3回のプージャー(仏への礼拝)の時に、本堂の扉が開き、仏歯が納められている金製の小箱を見ることが出来る。その時を待つ信者や観光客。

私達は時間の関係もあり早々に出て来たのか、それとも人混みでよく見えなかったのか、とにかく金色の小箱を見た記憶がない・・。

 

帰りの際に見たのだろうか? とってもいいお顔の仏像。

 

さて、日本人がスリランカを語る上で外すことができない人物がいる。

その方は、日本人が忘れてはいけない恩人J.R.ジャヤワルダナ元大統領。そのジャヤワルダナ氏が、この仏歯寺敷地内の奥にある展示室に、ゾウと写っている写真が展示されているそうだ。

 

1951年サンフランシスコ対日講和会議に、当時セイロン代表として出席したジャヤワルダナ氏は、『憎悪は憎悪によって止むことなく、慈愛によって止む』という仏陀の言葉を引用し、対日賠償請求権を放棄する演説をしました。日本は真に自由で独立した国でなければと、一部の国が主張する日本分割案に反対し、参加国に寛容の精神を求めました。その演説が各国の代表者の心を動かし、日本の分割占領案はなくなったと言われています。

 

このような史実を私達は歴史で勉強したのだろうか? 戦後生まれの日本人には、あまり知られていないことだと思う。戦後の日本の運命に大きな影響を与えた出来事を、私達は決して忘れてはいけないと思う。

 

 

仏歯寺の後に「キャンディアン・ダンス」を観に行った。キャンディアン・ダンスは、年に一度のペラヘラ祭りの時にも踊られるそうだ。

 

その後、外に出て「ファイアー・ウォーギング(火渡りの儀式)」を観る。これは古代インドの叙事詩に由来するものとされている。

燃え盛る炎の上を歩いて行く。す、すごーい!

二人は再び炎の上を歩いて戻ってくる。

 

美しいキャンディの夕暮れ。小高い山の上に「ホワイトブッダ」が鎮座している。ピンク色に染まった空と黒い山や木々のコントラストがとっても綺麗!

 

この日の夜、友達と二人で「アーユルヴェーダ」の初体験をした。

アーユルヴェーダ」はインド発祥の伝統医療。スリランカには仏教伝来と共に、紀元前3世紀頃にインドから入ってきた。それ以前からあったスリランカの土着の医療とミックスされ、スリランカアーユルヴェーダとなった。

アーユルヴェーダはWHOから正式に認定されていて、スリランカにはアーユルヴェーダ省まであるそうだ。

 

最初に、アーユルヴェーダの専門の医師による診察を受けて、自分に合ったオイルが決まり施術を受ける。

◆シロダーラ:額の上からオイルを一点めがけて一定の速度で垂らす。一種の瞑想状態

       下でリラックスさせる施術。

◆ハーバルバス:私達が受けたのはスチームバスだった。汗とともに体から毒素を抜き

        出す施術。

◆アビヤンガ:マッサージのこと。オイルを体中になじませてほぐす施術。

 

この施術を受けるのに一糸まとわぬ姿になる。韓国の垢すりでもそうだった記憶がある。とっても恥ずかしかった~! 施術中はバスタオルを掛けてくれるが、最後に体中のオイルを洗い流す時、シャワー室で係の女性が洗ってくれるのだ。自分でも洗えるのに、されるがままの状態。(笑)

でも、たまにはこんな経験もいいものだ。旅の疲れがスッキリ取れて、身体が軽くなったようだった。

 

 

翌朝、昨夜のアーユルヴェーダのお陰で元気いっぱい、早速お散歩に出掛けた。

 

 

この日は、「ピンナワラのゾウの孤児園」へ。

ここは、ジャングルで親を亡くしたり、はぐれてしまった子ゾウ、ジャングルで保護された失明したゾウなど100頭余りを保護している施設。

この看板の絵は、ゾウの糞から再生紙が作られる過程を示している。その紙で作られた商品が色々売られていた。

 

 

ゾウ達が列をつくって川へ水遊びに行くところ。

 

近くの川で水遊び。

観光客に何かおねだりしているゾウさん。

子ゾウ達が水浴びする姿は、とっても可愛かった!

 

 

この日はスリランカ旅行最終日。この後、コロンボへ向かう。

 

途中の町の風景。店の看板に見られる文字はシンハラ語の文字。コロコロと丸みをおびたシンハラ文字が可愛い。この文字がデザインされたグッズも、お土産としてたくさん売られていた。

 

 

コロンボに到着し、市内観光(主に車窓観光)。

 

「バンダーラナーヤカ記念国際会議場(B.M.I.C.H)」。イギリス支配から独立に導いた故バンダーラナーヤカ首相を称えて建てられた会議場。中国から寄贈された建物だそうだ。博物館も併設されている。

 

「ヴィハーラ・マハー・デーヴィ公園」に建つ金色の仏像。

 

「タウン・ホール」

 

「ガンガラーマ寺院」、ペイラ湖の近くに建つ寺院。コロンボで最も大きな寺院のひとつ。

 

「シーマ・マカラヤ寺院」、ペイラ湖の上に建つ祠。

これはジェフリー・バワによる設計で斬新な造りとなっている。

彼はスリランカを代表する建築家で、トロピカル・モダニズム第一人者として、アジアンリゾートホテルを始め数多くの建築物を手掛けた。

正面から見る。

 

途中見かけた駅。

 

その後、海岸沿いで下車。目の前にインド洋を望む。

砲台が残っている。

 

 

スリランカ旅行は無事終了。

 

この短い日程で、スリランカに8つある世界遺産のうち、5つの世界遺産を巡った。とっても慌ただしい旅だったけれど、世界遺産好きな私としては満足のいく旅だった。

 

(終)